【予想】第29回北海道スプリントカップ2025(門別JpnIII)本命・対抗・穴馬徹底分析
2025年8月12日|2025年8月14日(木)門別11R 19:55発走|距離:ダート1200m(外)・3歳・別定。
レース概要と舞台設定
日高山脈の稜線が夕焼けに染まり、海風が門別競馬場に届きます。
スタンドには最終レースを待つざわめきが広がり、砂の匂いと屋台の湯気が混じります。
8月の門別は、祭りの夜のような密度を帯びます。
第29回北海道スプリントカップ(JpnIII)は、3歳世代の短距離決戦です。
向正面スタートから3コーナーまで距離が長く、先行勢は砂被りを避けるため一気に位置を取りに行きます。
差し勢は前半で脚を浪費せず、ラスト2ハロンでスピードを落とさずに押し上げる持続力が問われます。
この舞台は、「持続戦」になりやすいのが特徴です。
時計が速い軽いダートなら先行粘り、雨や散水で含水率が上がれば前残りがさらに強まります。
近年はJRA勢が総じて優勢ですが、地元の逃げ・先行が流れひとつで波乱を呼び込みます。
門別ダ1200m(外)のコース特性
- 向正面スタート→3角まで長く、出脚と二の脚の速さが武器になります。
- 外枠は被されにくく加速がスムーズで、先行力のある馬に噛み合います。
- 差しはラスト2ハロンで減速幅を最小化できるかがカギです。
今年の見どころ
中央の地力先行型、純スプリント血統の差し脚、地元の重賞実績を持つ快速馬。
どのシナリオでも、ペース形成とラスト2ハロンの脚色が勝負の分水嶺になります。
ここから先は、血統・馬場・過去成績に踏み込んだ実戦目線の分析をお届けします。
全頭実戦分析と展開シミュレーション
出走馬クイック一覧
馬名 | 近走ハイライト | 血統距離適性 | 想定脚質 | 馬場適性 | メモ |
---|---|---|---|---|---|
マテンロウコマンド(JRA) | 兵庫CS(JpnII)先行押し切り。 昇竜S勝ちで地力証明。 | 父ドレフォン。短~1400mの持続力型。 ラスト2ハロンで落ちない。 | 好位 | 良~稍重◎ | 2番枠は砂被り回避と位置取り両立に好条件。 |
ヤマニンチェルキ(JRA) | ヴァイオレットS差し切り。 阪神1200~1400でスピード対応。 | 父Four Wheel Drive。純スプリント指向。 直線の伸び質が武器。 | 好位~差し | 良◎(道悪△~○) | 外枠で被されにくく、馬場の良いところを選べます。 |
エコロアゼル(JRA) | 短距離で3勝。TUF杯は速いラップで圧。 福島1150mで先行押し切り。 | 父Shancelot。米スプリント系の生粋スピード。 軽い砂で真価。 | 先行~逃げ | 良~稍重○ | 最内でも出脚が決まれば包まれず運べます。 |
ベラジオゼロ(北海道) | 星雲賞3着。地元1200の経験値。 先行粘り型。 | 父ホッコータルマエ。持続ラップに強み。 | 先行 | 良○/道悪○ | JRA勢の後ろをマークできれば残り目あり。 |
ワンダーウーマン(北海道) | フロイラインS勝ち。 逃げて持続。 | 父ナムラタイタン。前受け型で粘る。 | 逃げ~先行 | 含水率↑で粘り増 | 楽にハナなら一発の可能性が高まります。 |
ミラクルヴォイス(北海道) | 地元1200で勝利。星雲賞好走歴。 好位圏の安定感。 | 父ゴールドドリーム。短~マイルに幅。 | 先行 | 良◎/道悪○ | 展開の恩恵あれば上位食い込みも。 |
ヴィルミーキスミー(佐賀) | 門別遠征で短距離掲示板圏内。 展開待ちタイプ。 | 父ラブリーデイ。臨機の距離適性。 | 差し~好位 | 良○/道悪△~○ | スムーズに運べれば圏内争いへ。 |
パレスゴールド(北海道) | 1200mで連勝歴。 クラスは上がるが先行力は通用。 | 父モーニン。短距離ダの持続先行。 | 先行 | 良○/道悪○ | 展開恵まれれば掲示板以上も視野です。 |
血統×コース相性の深掘り
ドレフォン産駒(マテンロウコマンド)は、スタート~二の脚の立ち上がりが良く、ワンターンの持続戦で真価を発揮します。
砂が軽く時計が速いほど、ラスト2ハロンでの減速幅が小さくなり、押し切りが決まりやすいです。
Four Wheel Drive産駒(ヤマニンチェルキ)は、スプリントに特化した伸び脚が特徴です。
外目から被されずに運べれば、直線で馬場の良いところを選べるため、ラスト2ハロンの切れが最大化しやすいです。
Shancelot産駒(エコロアゼル)は、米国型の生粋スピード。
自身でペースを作っても止まりづらく、テンに速い展開を歓迎します。
ホッコータルマエ産駒(ベラジオゼロ)は、先行しても粘る持続ラップ適性が強みです。
地元舞台の経験値はアドバンテージで、好位確保なら粘り込みの余地が広がります。
ナムラタイタン産駒(ワンダーウーマン)は、含水率が上がるほど粘り腰が生きます。
楽逃げの形を作れれば、前残りの波乱パターンを演出します。
枠順とスタート位置の考え方
- 内枠は出脚が決まれば最短距離を通せますが、包まれるリスクがあります。
- 外枠は被されにくく加速しやすい一方、コースロスをどう抑えるかが鍵です。
- 本年の並びでは、外でスムーズ>内で包まれるを原則に評価します。
天候・馬場シナリオ別の評価調整
くもりベースで乾き気味なら、JRAの地力先行型が優位です。
直前に雨が降って含水率が上がれば、先行粘りが効く馬(ベラジオゼロ、ワンダーウーマン)を一段引き上げます。
展開予測(ペース設計と勝ち筋)
逃げ候補はワンダーウーマンとエコロアゼルです。
マテンロウコマンドが外を見ながら好位、ベラジオゼロとパレスゴールドが続き、ヤマニンチェルキは外でじっくり脚を温存します。
前半が速くなれば、ラスト2ハロンで外差しが間に合う確率が上がります。
ミドル寄りで落ち着けば、前の3頭がそのまま地力で押し切る絵が濃厚になります。
全頭詳細レビュー
◎ マテンロウコマンド(JRA)
兵庫CSを筆頭に、地方ワンターンの持続戦適性は世代上位です。
2番枠から砂を被らず好位確保→3角手前からのロングスパートで、ラスト2ハロンの減速を最小化できます。
血統的にも短~1400の地力先行で、舞台とニーズが合致します。
○ ヤマニンチェルキ(JRA)
純スプリントの伸び脚が最大の魅力です。
外枠で被されにくく、直線での進路選択が容易です。
良馬場でスピード維持が利くとき、ラスト2ハロンの差し脚は強烈です。
▲ エコロアゼル(JRA)
テンに速く、自分の流れに持ち込めると強いタイプです。
軽い砂で前半から飛ばしても、ラスト2ハロンの踏ん張りが利く米スプリントの芯が武器です。
最内でも出脚が決まれば好勝負に持ち込めます。
△ ベラジオゼロ(北海道)
地元1200の経験値は無視できません。
好位から持続ラップで粘り込む絵が浮かび、JRA勢が互いに牽制すると浮上します。
(注) ワンダーウーマン(北海道)
楽にハナを切れれば、含水率↑の馬場で番狂わせの中心になります。
逃げ切りシナリオの要件は、前半でプレッシャーを受けないことと、ラスト2ハロンでの減速幅を抑えることです。
最終予想印
- ◎ マテンロウコマンド
- ○ ヤマニンチェルキ
- ▲ エコロアゼル
- △ ベラジオゼロ
- (注) ワンダーウーマン
馬券戦略(状況別)
基本線はJRA勢(◎○▲)主軸です。
乾き気味で時計速い→馬連・三連複は◎=○▲厚め、三連系に△(注)を添えます。
含水率↑で前有利→(注)と△を一段引き上げ、前残り決着への備えを強化します。
まとめ|勝敗を分ける三つの視点
- 先行力×持続力:好位で脚を温存し、ラスト2ハロンで沈まない地力が勝ち筋です。
- 外でスムーズ:被されない進行は、短距離の生命線です。
- 直前の馬場見極め:砂の軽重と含水率が、先行粘りか差し切りかを決めます。
この三点を満たす本命はマテンロウコマンド、対抗にヤマニンチェルキ、単穴にエコロアゼルという結論に達します。
地元の先行勢は、展開ひとつで馬券圏内の扉をこじ開けます。
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