【第61回小倉記念2025予想】メリオーレムが制す！レース展開と勝因を徹底解説

サマーシリーズの舞台とデータが語るもの

小倉芝2000m。
過去5年の勝ちタイムは平均1分58秒台、勝ち馬の上がりは34秒台が大半です。
良馬場で前半は速く、後半は末脚比べになるのがこのレースの特徴です。

実際、過去5年平均1000m通過は58.7秒、先行馬が50%、差し馬が25%の連対率を誇ります。
枠番別では6枠40%、3枠30%、8枠30%が好成績。
夏の小倉は高速馬場と内有利が基本ながら、末脚の切れがなければ勝負になりません。

注目の出走馬たち──それぞれの物語

メリオーレム──主役の風格

パドックで最も注目を集めたのは、川田将雅騎手が手綱を取るメリオーレムでした。
500kg近い雄大な馬体が、一歩ごとにしなやかに筋肉を動かします。

むらさき賞1着（1:44.6、上がり34.7）、
府中S2着（1:57.8、上がり33.9）。
春から磨き上げた末脚が評価され、本命視されるのも当然です。
川田騎手は小倉芝2000mで複勝率42%。
データも彼を後押ししていました。

ハピ──好枠と安定感

ハピは坂井瑠星騎手がじっと我慢するように、好位で構える準備を整えていました。
新潟大賞典3着（1:57.9、上がり34.5）。
先行押し切り型で、6枠40%の好枠。
坂井騎手自身もこの条件で連対率35%。
確実に上位争いができる安定感がありました。

ディープモンスター──斤量との戦い

ディープモンスターは北村友一騎手が後方に控える構えです。
目黒記念4着（2:33.4、上がり34.3）、過去には小倉記念4着歴もあり、末脚勝負なら怖い存在です。
ただし斤量58kgが課題でした。

シェイクユアハートとナムラエイハブ

シェイクユアハートはTarumi Stakes勝利馬。
先行押し切り型ですが、高速決着でどこまで切れるかは未知数です。

ナムラエイハブは松山弘平騎手の手で、好位差しが狙えるタイプ。
5枠10%のデータは不利でも、騎手の腕と安定感で穴として注目されました。

スタート──芝を裂く蹄音

午後3時35分。
ゲートが開くと、湿った芝が一斉に飛び散ります。
蹄音がスタンドに響き渡り、観客席から声があがりました。

ショウナンアデイブが先手、1000m通過は58.6秒。
ラスカンブレスが並びかけ、シェイクユアハートも好位へ。
ハピは4番手、川田騎手のメリオーレムは中団で折り合い、北村騎手のディープモンスターは後方待機。
ペースは緩まず、末脚勝負が予感される流れでした。

直線──夏の陽炎を切り裂く末脚

4コーナーで馬群が凝縮します。
湿り気を帯びた芝の匂いが強く漂い、観客の声が渦を巻くように響きました。

内で我慢していたメリオーレムが、直線で馬場中央へ持ち出されると一気に加速します。
ハピが懸命に抵抗するも、残り100mで差が詰まりました。

ゴール前、川田騎手のムチに応え、メリオーレムが堂々と先頭で駆け抜けました。
上がり3Fは34.6秒。
2着ハピ、3着ディープモンスター、4着ナムラエイハブ、5着シェイクユアハート。
勝ちタイム1:58.2（JRA速報値）。

結び──小倉が教えてくれたこと

レース後、観客は静かな余韻に包まれました。
青草の香りが風に乗り、ターフを見つめる視線は輝いています。

「なぜ、夏の小倉は人々の心を熱くするのか？」
その答えはこの二分間にありました。
限界まで駆け抜けた馬と、信じた騎手が作り出した物語。

2025年の小倉記念は、メリオーレムという新たな主役を生んだだけでなく、夏競馬の魅力そのものを私たちに教えてくれたのです。
来年、同じターフで再びこの熱気を感じてください。