2025年東海ステークス展望｜ダート1400m攻略ガイドと◎〇▲△（注）公開

夏の暑さが肌にまとわりつき、砂塵が舞う中京競馬場のスタンドからは、鉛色の空に向かって響く歓声が伝わってきます。
ダート1400mという砂煙を切り裂く短距離戦は、一瞬の加速と鋭い脚質のぶつかり合いです。
その舞台となるのが、2025年7月27日に開催される第42回東海ステークスです。

本命に輝くのは、勢いそのものとも言えるビダーヤ。
砂を蹴り上げながら躍動する蹄のリズムが、鼓膜を震わせるようです。
4連勝で本格化したビダーヤは、欅ステークスで見せた末脚が衝撃的でした。
騎手のダミアン・レインが鞍上で繰り出す渾身のムチが、砂煙と一体となって視覚に焼き付きます。
血統背景にもノーザンダンサー系のパワーが息づき、ダート1400mでの高い適性を証明しています。

対抗に推すヤマニンウルスは、シリウスステークスで披露した粘り腰が光ります。
大きく引きつけた後方からの差し脚は、思わず息をのむ圧巻のパフォーマンスでした。
父ジャスタウェイ譲りの中距離スタミナを、短距離戦でも爆発させるポテンシャルがあります。
川田将雅とのコンビ実績もあり、重賞での勝負強さを侮れません。

▲評価のオメガギネスは、追い込み一辺倒ではなく、多彩な脚質を見せる点が魅力です。
三宮ステークス勝利やシリウスステークス2着といった実績が、ここに来て加速度的に光を放っています。
細やかな調教タイムと締まった馬体が、当日のコンディションの良さを物語ります。
松山弘平騎手の手綱捌きにも注目です。

△として注目したいのがサンライズフレイムです。
ポラリスステークスで見せた弾むようなスタートダッシュは、観客の心を鷲掴みにしました。
ダート1400mで安定したタイムを刻むその姿は、砂煙の中で金粉が舞うかのよう。
勢いに乗るなら、ここで一発があっても驚けません。

そして（注）に挙げるインユアパレス。
川田将雅との息の合ったコンビは、重賞でも上位に顔を出し続けています。
貴船ステークスでの勝利は、鳥肌ものの切れ味でした。
パドックでの歩様からは、どこか気品すら感じられます。

東海ステークスは、前半34秒台のハイペースになりやすく、先行馬と差し馬の駆け引きが見どころです。
空気がピリリと張りつめるスタート直後から、砂煙が視界を奪いにかかります。

アナウンスの声が遠のき、蹄音だけが響き渡る瞬間。
勝負を分けるのは、馬と騎手が息を合わせた“気”のぶつかり合いです。
当日の天候は晴れ時々曇りの予報ですが、湿度が高く蒸し暑いコンディションになりそうです。
良馬場発表でも、ダートはやや重めに感じられるかもしれません。
その中で如何に最適な脚をためて、一瞬のスパートを仕掛けるか。
騎手の判断がカギを握ります。

◎ビダーヤ
〇ヤマニンウルス
▲オメガギネス
△サンライズフレイム
（注）インユアパレス

砂煙をかき分け、歓声を背に受けて駆け抜ける5頭。
中京競馬場の直線を異次元の速度で切り裂くのは、果たしてどの馬か。
心臓が高鳴り、掌が汗ばむひとときを、どうかお見逃しなく。

次元が交差する砂の舞台で、瞬間の閃きをつかんだ馬に栄冠は輝きます。
東海ステークスの砂塵が、あなたの記憶にも深く刻まれることでしょう。
ぜひ当日、中京競馬場で――あるいはあなたの投票席で、興奮の渦に飛び込んでください。
そして、勝利の瞬間をその眼で捉え、五感全てでレースを味わい尽くしましょう。