福島の夏風が頬をかすめる中、第74回ラジオNIKKEI賞の大幕が静かに上がります。
芝1800メートルの緑濃いトラックに、名もなき雲がゆらりと漂い、観客席のざわめきと蹄のリズムが心地よい高揚感を呼び起こします。
コースと舞台設定
福島の坂を登り切った後に待つ下り坂や、内回り特有のタイトなコーナーが連続する1800mは、先行馬には少し息をつく余裕を与え、差し馬には最後の直線で脚を伸ばすチャンスを残します。
当日は良~稍重が想定され、芝の擦れる匂いが鼻孔をくすぐることでしょう。
本命視するフクノブルーレイク
スプリングステークスで2着に好走した実績からも、重馬場での1800m適性は申し分ありません。
皐月賞での16着は、1コーナーでの接触が全てだったと考えます。
当日は竹内調教師が「理想の位置で動けるはず」と自信をのぞかせ、松岡正海騎手も福島で安定感ある走りを見せるでしょう。
落ち着いた歩様からは被毛の艶が光り、気合十分な様子が伝わってきます。
先行集団の一角からそのまま後続を引き離す展開を期待したいです。
対抗のセンツブラッド
白百合ステークスで2着に入り、34秒8の上がりをマークした差し脚は見事です。
菅原明良騎手の手綱さばきは滑らかで、直線半ばで一度スパートをかける姿勢は観る者の心をつかみます。
母父Galileo譲りのスタミナ血統を背景に、最後の200mでグッと前へ迫るシーンが目に浮かびます。
連下にトレサフィールの逃げ切り
未勝利、1勝クラスを連勝中で、上がり34秒5のキレ味を秘めています。
横山典弘騎手との呼吸も見事で、スタートからハナを切る可能性が高いです。
木製のゲートが開く直前に鼻先をピクッと動かすその鋭い反応は「今日のペースを作るぞ」と宣言しているようです。
中盤の緩んだラップを自ら作り、後続の脚を削ぐ逃げ粘り策には要警戒です。
穴馬としてのビーオンザカバーとインパクトシー
ビーオンザカバーは山藤賞を快勝し、田辺裕信騎手と初コンビながら最後の直線でグッと沈み込むようなバネを見せました。
クロフネ系の父母父配合は良馬場で本領を発揮し、中穴として面白い存在です。
一方、インパクトシーは1週前追い切りで全馬中最速の動きを見せたとの情報があります。
粘り腰の差し脚は重い芝でも冴え、思わぬ高配当を狙える伏兵と言えるでしょう。
ペース予測と展開想定
過去のラップが示す通り、前半600mは12秒前半を刻むハイペースではなく、中盤で緩みが生まれるミドルペースです。
逃げ馬がしっかり動く場面と、内外の差し馬が脚を溜める我慢比べが交錯し、最後の直線で馬群が一気に伸び合うドラマが待ち受けています。
夏の湿気に包まれた空気の重みが、ラスト200mの苦闘をさらに際立たせるでしょう。
推奨買い目
- 馬連1点勝負
◎フクノブルーレイク―○センツブラッド - 三連複フォーメーション
(◎―○)―(▲トレサフィール/△ビーオンザカバー/△インパクトシー)
フクノブルーレイクの先行粘りとセンツブラッドの切れ味、トレサフィールの逃げ残り期待、穴馬の一撃を組み合わせれば、的中への道は開けると考えています。
結び
東北の空に響く実況の声が最後の直線で高まる頃、芝の香りとともにあなたの馬券が的中を呼び込むことを願っています。
夏競馬の幕開けにふさわしい熱戦が、まもなく福島で繰り広げられます。
どうぞ最後までレースをお楽しみください。
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